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2005年10月号(通巻71号)/680円
 2005年10月号から:

【連載】旅のカラクリ
文 麗仁

第58回:非居住者のススメ その16
リタイア後タダで日本に里帰りDスターアライアンスの場合(後編)



 
 前回の続きです。前回では、ユナイテッド航空(UA)を利用する場合の無料航空券の空席確認および予約方法と海外発券(主にコロンボ発券)の旨味について詳述しました。今回は、「非居住者のススメ」の目的にかなうUA以外のスターアライアンス系航空会社の使い方について、筆頭の全日空を中心に詳述していこうかと思います。

◆UA以外の航空会社を使いこなせ
 スターアライアンス系航空会社はUAを入れても18社、それ以外にパートナー10社といろいろありますが、タイ&アジアフリークの私たちからみれば、無料航空券を獲得するのに現実的な航空会社はそれほど多くはありません。航空券料金、就航地、日本発着空港、マイル蓄積の利便性、無料航空券発券の利便性などの観点からメインとしてマイレージ会員に登録すべき航空会社は、UA以外ではズバリ、アジア系航空会社、全日空・タイ国際航空・シンガポール航空・アシアナ航空の4つに絞られます(他の航空会社の会員も無料ですから入会するのは構わないのですが)。
 
 本当のところ、東京/関東圏、タイ、マレーシアやシンガポールにお住まいの方々には強力にUAをお勧めするのですが、関西や東海圏、その他の地方の方々には(UAは関空・中部国際とも北米路線しかないので)今ひとつ使いづらく、上記4つの航空会社になってしまうのです。
 
◆全日空(NH)の場合
 日本国内発券では日本国内線の超割とか、バースディー割引、あるいは旅行代理店が扱う出張ビジネスパックや観光パックでNHを使うなら安くてお勧めです(でも、獲得マイルは実効飛行マイルの0〜50%)。これに対して、国際線はあまり美味しくありません。獲得マイルも正規普通運賃以下だと実効飛行マイルの70%以下ですし(いわゆる格安航空券やパック旅行航空券は50%)。北米方面などの早割28コンポに代表される「ANA’S GET」(=航空会社が自ら販売する正規割引航空券=いわゆるPEX航空券)の最低ランクの航空券はそこそこ安いんですが(でも種々の制限がありますよ)、アジア方面は安くありません(ことに中国路線なんて日本航空同様ボッタクリ価格!)。
 
 また今年4月から、ANAマイレージクラブはルールの改悪でアップグレード条件が厳しくなりました。たとえば、ビジネスクラスへのアップグレードを欧州路線なら値段の高い(冬季オフシーズンでも20万円する)「ゲットスタンダード(Bクラス)」からしか認めなくなりました(もう以前のように10万円前後で欧州行きビジネスクラスには乗れません)。マイレージ会員組織のANAマイレージクラブも、貯めたマイルは翌々年の年末まで(最長3年)が有効期限で、「リタイア後の里帰り」には向きません(リタイア後も定期的にNHを使うなら別ですが)。
 
 しかし、上級会員のプラチナ資格(およびスーパーフライヤーズ) 以上で無料航空券を自分と家族でしか使わない(譲渡制限が配偶者か二親等まで)ならイチオシです。日本国内就航地も北は札幌から南は沖縄までですし。
 
 まあ、NHは今期初めて国際線が黒字になって元気ですし、搭乗客席の半分以上をビジネス出張客として埋める戦略を立てている会社ですから仕方ありませんが……。
 
◆これがお薦めの航空券だ!
 お薦めの航空券はズバリ、バンコク発1年オープン成田経由米国西海岸行きビジネスクラス(復路成田ストップオーバー可)。航空券本体価格にして約7万3000バーツ(約20万円)。たとえばロサンゼルス行き往復だと実効マイルにして1万6676マイル、獲得マイルにして一般会員2万845マイル、スターゴールド扱いのプラチナ資格で3万7521マイル、さらに上級のダイヤモンド資格なら4万1712マイルと美味しいです。
 
 無料航空券の使い方としては、やはりバンコク・クアラルンプール・シンガポールなど(全日空が就航してない都市なら、スターアライアンスではないけど、提携しているマレーシア航空が使える)の東南アジアから日本各地までの(逆も当然可)往復が3万5000マイルで発券できます。ほか、他社直行便ならタイ国際航空(5万マイル)、シンガポール航空(3万5000マイル)、ユナイテッド航空(3万5000マイル)が利用できます。さらに、スターアライアンスを2社以上利用したい場合は、4万マイルで東南アジア〜日本間が発券できます。
 
 でも、現在一番オトクなのは、「非居住者のススメ」の目的地ではありませんが、中国路線です。2万マイルで1年間有効、日付変更可、日本各地から全日空が就航している中国各都市への往復航空券が発券できます。日本国内での販売価格が高い(だいたい10万円を超します。お金を払って全日空で中国に行くのなら、全日空ハローツアーなどのパックで行ったほうがリーズナブルです)こともあって、無料航空券枠の席が取れやすいし(あんな高い航空券、社用以外、誰も買わないでしょう)。
 
 そのほか、貯めたマイルの使い道としては決してリーズナブルではありませんが、1万マイルでANAセレクション利用(時計やバッグなどの物品との交換)、(Edy機能付きカード利用による)電子マネー利用、1万2000マイルから全日空国際線アップグレード利用、1万5000マイルから全日空特典無料航空券発券、2万マイルで3万円分のANA利用券(全日空ハローツアーなど全日空が独自で販売する商品に利用できる。旅行会社での利用は不可)。2万5000マイルからスターアライアンス特典無料航空券発券などができます。
 
 全日空をメインにするならば、是非とも1暦年(1〜12月)に全日空便搭乗で5万ポイント貯めてください。かなり大変ですが。
 
 1度5万ポイント貯めるとプラチナ資格になり、翌年からボ−ナスマイルが100%=飛んだ距離の倍(でも、基数は搭乗サブクラスに反映。正規運賃なら200%ですが、ペックス運賃だと140%。パッケージなど包括運賃だと100%)。それに翌年有効の国際線で使える無料アップグレード券が4枚(日本―欧州片道で3枚使いますが。でも、これも上述したように安い運賃での利用はできなくなりましたね)。
 
 しかし、プラチナ資格の最大のメリットは、1度このステイタスを獲得すると、スーパーフライヤーズに加入できることです。有償ですが、クレジットカード機能付きで毎年会費(1万762円〜)を払っていれば、半永久的にスターゴールド扱いで、スターアライアンス各社のフライト利用の場合、各社の空港ラウンジが使い放題。他社みたいにスターゴールドステイタス維持のための「マイル修行」からは解放されます(翌年から無理して5万ポイント貯めなくても良いことになります)。
 
 それにこれを維持していると、毎年無料アップグレード券2枚が送られ、毎年ボーナスマイルが配られ、翌年以降たとえブロンズ資格やプラチナ資格を持たなくとも搭乗換算マイルの50%のボーナスマイルが付加されます。
 
 また全日空は(日本航空のSuicaに対抗?してか)、Edy付帯機能カードも発行しており、Edy提携店舗で200円/1マイルで加算、使うときは1万マイル/1万円で払えます。さらにクレジットカード機能付きカードを支払いに使えば、100円/1マイル換算で貯められ、そのうえ提携先企業のサービス、ショッピングやグルメのみならず、銀行や証券、ヘアサロン、引越し、英会話学校など生活一般、種々の機会でマイルが貯められます。
 
 う〜む、全日空、なかなかやりますねえ。ユナイテッド航空よりは使いで悪いですが、東京圏以外の方々の「非居住者のススメ」的利用には良いかもしれません。

ANAマイレージクラブの概要
名称
条件
搭乗ボーナスマイル
空港ラウンジ利用
ブロンズ
30,0003ポイントまたは30フライト+10,000ポイント
50%

1000ポイント要
プラチナ
50,000ポイントまたは50フライト+15,000ポイント
100%
ダイヤモンド
100,000ポイントまたは120フライト
125%
スーパーフライヤーズ
1暦年でプラチナか、ダイヤモンド資格達成
50%

≪備考≫搭乗獲得マイルはプラチナポイントに置き替えられます。
 全日空系国内線搭乗換算1マイル=2ポイント
 全日空系国際線搭乗換算1マイル=1ポイント
 全日空系中国線搭乗換算1マイル=1.5ポイント
 スターアライアンス搭乗換算1マイル=1ポイント

 ブロンズはスターアライアンスシルバー資格に相当。プラチナ・ダイヤモンド・スーパーフライヤーズはスターアライアンスシルバー資格に相当。

エコノミークラス無料特典航空券の必要マイル数
航空会社 
発着
必要マイル数
全日空
日本国内〜東南アジア
35,000マイル
日本国内〜韓国/中国
15,000/20,000マイル
マレーシア航空
成田/中部/関空/福岡〜東南アジア
35,000マイル
タイ国際航空
成田/中部/関空/福岡〜東南アジア
45,000マイル
アシアナ航空
日本国内14都市〜東南アジア8都市
55,000マイル
シンガポール航空
成田/中部/関空/福岡〜東南アジア
40,000マイル
ユナイテッド航空
成田〜バンコク/シンガポール
35,000マイル
スターアライアンス
日本国内〜東南アジア
40,000マイル

≪備考≫
 全日空のカバーする東南アジア:タイ・ベトナム・シンガポール
 アシアナのカバーする東南アジア:タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン
 それ以外の航空会社がカバーする東南アジア:ほぼ全域(国によってはその国内も含む)

★ANAマイレージクラブのメリットは?
 日本国内〜東南アジア往復35,000マイルで発券(地方在住者には最大メリット)。国内線でマイル蓄積可。機内サービス、エンターテインメント、食事が良い。スーパーフライヤーズの存在(「マイル修行」からの解放)。蓄積マイルが、費用対効果は悪いけど無駄にはならない。一般生活でのマイル蓄積の機会が多い(カード支払い、Edyや提携先企業サービス)。スターアライアンス航空会社以外では、サブクラスによっては、マレーシア航空、中国国際航空、上海航空、ヴァージンアトランテイック航空、南アフリカ航空、カタール航空、エアジャパン、エアニッポンでマイル蓄積可。

▼ANAマイレージクラブのデメリットは?
 価格が安くない。飛行マイル換算率が悪い(正規割引=PEX運賃で70%、団体・包括運賃で50%)。国内線は、超割・得割・バースディー割引で75%、団体包括運賃では50%。配偶者及び2親等まで(要は家族のみ)しか無料航空券の譲渡ができない。搭乗獲得マイル有効期限が最長3年と短い(プラチナポイントは1年)。アップグレードの旨みが薄れた(Bクラス以上。日本ではPEXの一番高い運賃で可)。プラチナポイントと搭乗獲得マイルは合算利用できない。


【麗仁(レーニン)略歴】
慶応大学探検部出身。世界74か国を歩き回った旅の達人。都市や辺境に関わらず、海外の様々な事情に精通している。現在、某環境調査会社に勤務するかたわら、大企業や官庁の研修旅行のコーディネーター業務を行っている。常にどこかを飛び回っており、日本の自宅にいるのは年間30日程度。そのため、結婚できる見通しはまったくない、と嘆いている。

 

 

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